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Yasu Yoshikawa

第一回「サーカス(の定義)って何??」

by Yasu Yoshikawa


明けましておめでとうございます。

大きな輪っかに入って転がるサーカスアーティストのYasu です。現在、Planet Hollywood Hotel にある VUltimate Variety Show に出演しております。新年1 月から「ちょっとサーカスなお話」の連載をスター

トさせてもらうことになりました!どうぞよろしくお願いします。


 ここラスベガスは、世界で唯一、Cirquedu Soleil をはじめとした沢山のサーカスエンタメショーが集結する聖地!それぞれのショーには、ユニークなコンセプトと心意気が詰まっていて、深掘りするとめちゃくちゃおもろい!マニアックでもあるサーカスの視点をご紹介して、世界のサーカスの現状、ラスベガスのサーカスの現在地、そしてサーカスの歴史などをお話していきます。ときにマニアックになりながらも、僕の実体験をもとにした、めっちゃくちゃ偏った目線で書いていきますので、どうぞよろしくお願いします!


それでは、第一回「Yasu のちょっとサーカスなお話」スタートです!!


早速ですが質問です。

「サーカス(の定義)って何??」


ピエロ(クラウン)が出てくるのがサーカス?いやいや、動物が出てくるのがサーカス?サーカスって人それぞれイメージがバラバラ。そんな中ですが、僕なりに出した答えが、「お客さんと一体となって想像の一歩先に行ける集合体」です。勿体ぶった割には、どの舞台でも当てはまるやんけ!な答えですが、サーカスの歴史を辿ると、劇場のショーとはちょっとした違いが見えてきます。


時は遡ることおよそ1860 年くらいのお話。ヨーロッパの大戦争、7 年戦争に参加しためっちゃくちゃ乗馬のうまい戦士がいました。その名もアストリー。彼は退役後、乗馬学校を設立するために馬の曲芸(曲馬)をみんなに披露しようと試みます。しかし、戦争の技術からスタートしてる曲馬は、一直線に走って行うため、だだっ広いスペースが必要で、見ているお客さんは、走ってくる馬と人が一瞬しか見れなかった。


お客さん

「すごいけど、なんか遠いし、一瞬やし見にくいわ。帰ろー。」


アストリー

「ちょっと待って!!あかん!これはあかん!!なんとかせなあかん!!!」


彼はめちゃくちゃ悩みました。


そこで彼が編み出したのが、「馬を円形に走らせる!!!」


でした!これがいろんなことを解決させていきます。


お客さん

「取り囲むように円形に集まって見られるから、大迫力でめっちゃ楽しいやん!!」


そしてもう一つ、彼ら演者にとっても嬉しい発見がありました。


アストリー

「一定の遠心力が外に向かってかかることで、馬上がめっちゃ安定するねん!!だから技がめっちゃ発展していくねん!!」


アストリーの仲間

「マジっすか!そこまで計算されてたんですか!天才じゃないですか!」


アストリー「お、おう!もちろん!!」(たまたまやった、なんて言えない。。。)


これが偶然だったのかどうかはわかりませんが、この円形で演じるということはものすごく大きな発見でした。そして、アストリーは、コレはいける!と思い、曲馬だけでなく、アクロバットや、ジャグリングなど、芸人を集めてショーを作っていきます。


一般的な劇場と違い円形なので、360 度お客さんに見られてしまいます。ドン帳幕などで目隠しができないことから舞台の転換中の中断がお客さんに見られてしまいます。


アストリー

「ねえ!君!お客さんの目をべつのところに惹きつけさせたいから、客席や、空いてるスペースでなんかおもろいことやって!!」


面白い人

「うわ!なんちゅう無茶振り!でも面白そうやからやってみる!!」

こうして、観客の注目を引きつけるクラウン(ピエロ)が発展していきました。

この円形ステージの興行は大成功していきます。


アストリーの仲間1

「アストリーさん乗馬学校作ろうって言ってたけど、どうするんやろう?」


アストリーの仲間2

「いいやん。こっちも面白いやん!それより、一番安定するステージの広さ見つけようぜ!」


このように話していたかどうかはさておき、彼らによって研究に研究を重ねられ、最適な円形ステージの大きさがおよそ直径12m と定着。それから150 年以上経った今でも、現代ヨーロッパサーカスの円形ステージの基準となっています。


「サーカス、circus」の語源は、ラテン語の「キルクスcircus」(輪、回転する)からきています。そう考えると名前の由来、納得しますね。


第一回はここまで!と言いたいところですが、この円形ステージとYasu が出したサーカスの定義「お客さんと一体となって想像の一歩先に行ける集合体」との関係をもう少し。






ちょっとここで、みなさんと一緒に想像のサーカステントの中に入ってみましょう。入り口には、ポップコーンの香ばしい香りが広がります。テントの中央には円形のステージがあり、それを囲むように客席が並んでいます。では、どこか好きな席に座ってみてください。何が見えますか?空中ブランコ?ジャグリング?逆立ちした人?ゾウやライオン?


ドキドキハラハラ、さまざまな楽しいショーが目の前で行われています。それと同時にもう一つとても大事なものが見えます。見ているステージの視線の奥や横に、お客さんの驚いたり、笑ったりする顔。実は、お客さんの表情や動きもセットになっているのがサーカス。


演技だけでなく、お客さんの笑い声、驚きや、声援それら全てもショーの一部なのです。その一体感はお客さんだけでなく演者にもダイレクトに伝わり一体となります。毎日毎日一見同じ演技であるように感じても、毎回お客さんが違うことで、そのエッセンスがプラスされて毎回全く違ったショーになります。


僕自身、ほぼ毎日のようにショーに出演していますが、1回として同じ空気感同じショーを体験したことがありません。まるで一瞬一瞬を生きている一つの生命集合体なのです。


これがサーカスなんだろうなぁと僕はいつも思っています。さてさて、このようにサーカスのお話をしましたが、一つ疑問が出てきませんか?ほな、「Cirque du Soleil」はどうやねん?めっちゃでかい水槽だったり、マイケルジャクソンだったり、ビートルズだっり。。。


はい、それがあるから僕もめーーーっちゃサーカスの定義に悩んでたんです!

そう言った疑問や気づきも含め、コレから連載でお話できたらなぁと思っております。

そして、この連載も僕の定義するサーカスのように、みなさんのご意見も聞かせていただいて

一緒になって参加していただけたらめっちゃ嬉しいです。Instagram やTwitter、Facebook もしくは本誌までご連絡いただけると幸いです。みなさんの笑顔もこのコラムのサーカスな話に必要です。コレからもどうぞよろしくお願いします。「みなさんにとってのサーカス」どうぞお聞かせください(^ ^)


Yasu Yoshikawa


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